Karma&Rebirth in Hindu Astrology by K.N. Rao

インド占星術で見るカルマと輪廻転生」
 

はじめに
(1)

占星術とカルマについてこの本を書くことになったのは、占星術の学校で多くの生徒を相手に占星術全般について教えるなかで、「占星術とカルマ」に関して多岐にわたるテーマを講義しなければならなかったからです。講義の多くは録音されましたが、私の手元には録音テープがひとつもありません。これまでの講義内容を収集して整理し、生徒が後で見直すことができるように一冊の本にまとめる必要が生じたのです。

しかし、すぐに執筆にとりかかろうとは思っていませんでしたが、かといって引き伸ばすのも懸命ではありません。私の占星術のグルであるバスカラナンダ・ヨーギ(Yogi Bhaskarananda)は、占星術全般について4章にわたる長い書きものを残しましたが、その中には、精神性と占星術の智恵に関する真髄が含まれていました。私はそれを見習おうと最善をつくしましたが、結局できませんでした。

私のヨーガのグルがよく滞在していたジョルバグ(デリー)の住居の所有者であるプリチュッシュ・バラティヤ氏から聞いた話です。私のグルが生前に所有していた経典とアーメダバード近くにあった彼の小さなアシュラムは、彼の死後まもなく弟子たちによって売り払われたそうです。まさにカーリー・ユガの世の中です。カーリーユガの時代には、弟子たちは、世話になったグルを裏切り、グルとの大切な関係とグルの所有物を己の利益のために利用し尽くすといいます。

私は、同様のテーマについて、バスカラナンダ師が示したような深さとインド占星術に対する理解をもって書かれたものを見たことがありません。理由ははっきりしています。バスカラナンダ師は、占星術を聖者(リシ)の伝統にのっとって実践していたからです。他の著名占星術家のように、家族をやしなうための手段として実践していたわけではありませんでした。占星術が職業となったとき、それはもはや神聖(devine)でなくなります。占星術は、その段階で貶められるのです。占いで生計を立てる占星術家は、家族を養うために靴を売る靴屋とかわりません。占星術を生業とする人は、かつてバスカラナンダ師が到達したような、占星術がもつ精神性の深みに到達することはもうできないでしょう。

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