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「ラオ先生のやさしいインド占星術−入門編」

 

 

 

 

 

 

星を見つめる聖者たち 1章
かの偉大なグル
 
That Great Guru
Yogis, Destiny, and the Wheel of Time: 1st Capter # 09

(No.09)

ジャタ・バーラタの物語には、グルと弟子との関係、修行者にとっての罠、死ぬときの意識の状態が次の生を決めるといった示唆が含まれています。

ジャダ・バーラタ (Jada Bharatas)

シュリマダ・バガヴァタム(Srimada Bhagvatam)に出てくるジャダ・バーラタの物語には、ヨーギーが執着によって一旦、偉大なるヨーガの道を頓挫し、その後、転生の因となる過ちの繰り返しを絶つことによって、最終的に自分のひっかかりを乗り越えていくプロセスが描かれています。

ナガリダス・ババ
はいつも私に、ジャダ・バーラタのことを忘れないようにとおっしゃっていました。私のグルであるスワミ・パラマナンダ・サラスヴァティも含めて、どのヨーギーも、彼ほど熱心にこの物語のことを強調しませんでしたし、おそらくすることもできなかったでしょう。

この物語はこんな風に始まります。

偉大で宗教的で有能なバラ(注22)の登場の後、インドのアジナバヴァルシャとして知られる町は、バーラトヴァルシャと呼ばれるようになりました。王には自分と同じくらい優秀な息子たちがいたので、年老いた王は王権を息子に譲り、自分は出家生活の準備に入りました。彼は野獣の出る森の奥に行き、木々の茂みと小川のせせらぎのそばに庵を囲みました。集中をそらして彼のヨーガ修行を邪魔するようなものは、一切ありませんでした。

しかし、運命とは不思議なものです。

ある日、お腹に子供をはらんだ鹿が、ライオンに追いかけられていました。鹿が命からがら小川のせせらぎを飛び越えると、お腹の中の子鹿が産まれ出て、小川に落ちました。親鹿は死に、母を失った子鹿はえさが必要でした。サンヤーシ(出家修行者)のバラは、赤ん坊の鹿が可哀想になりました。そして情にかられ、子鹿の世話を始めました。執着は新しいとらわれを生み出し、サンヤーシのバーラトの修行は進まなくなってしまいました。

ナガリ・ダス・ババ(Nagari Das Baba)は、アシュラムを作って弟子を持とうとするグルを、「世俗的な野望を持つヨーギーが陥りがちな罠にはまった人」と呼んでいました。彼は弟子を持っていましたが、自分の近くに置いたり、自分の世話をさせたりさせませんでした。教えを与えられたら、弟子は自分のサーダナをやりつづけなければなりませんでした。彼は、主人と農奴のような関係ではない、グルとシシャ(弟子)の形態を持っていました(注23)。アシュラムを建てようとするグルのことは、アーキテクト(建築家)と呼んでいました。


ナガリ・ダス・ババとKNラオ氏

グルは心の内側に示唆を与えます。修行を進めていくのに、グルの肉体の存在は必ずしも必要条件ではありません。

王侯の女王が、ナガリ・ダス・ババが弟子と一緒に住むことができるような、アシュラムにできる大きくて豪華な寺を布施すると発言したことがありました(注24)。彼はその布施を断り、女王の目をくらますために、10年近くヴリンダーヴァンから逃げていました。

ナガリ・ダス・ババはしんらつな言葉を使う方でした。よく彼は、「真面目に修行するのが本当の弟子で、サーダナの替わりにグルの周りを走り回るのは悪い弟子だ」と言っていました。

「グルを礼拝するのはラークシャサ(魔物)だ」とも、よく言っていました。こういった口の悪さのため、ヴリンダーヴァンでは敵が多くいました。彼は3回毒を盛られ、その内の2回は私がよくお会いしていた時期(1978〜88)のことでした。彼は苦しみながらも、薬を使わず、ヨーガの力で致死量の毒の効果を消し去りました。

彼は1988年にサマディ(三昧:死を意味する)に入られました。私の人生で最も崇高で霊的な魂が、この世を去れらたのでした。

さて、バラ王の物語に戻りましょう。

彼は、子鹿の親としての苦悩を持ったまま世を去りました。次の生で、彼は鹿として生まれました。なぜなら、人が死ぬ時、その心に残っているのが救済へといざなう宗教的なものではなく、物質的なものであった場合、その人は輪廻転生の罠に陥らなければならないからです。しかし、偉大なサーダナを前生においてなした場合、神の王はその記憶を取り去ることはしません。それはたとえ次の生が人間であろうと、動物であろうと、その記憶を持って転生することになります。

注22: 有名なカリダス大王の劇に出てくる、シャクンタラの息子とは別人です。
注23: 最もひどいのは、グルが自己の世俗的願望成就のために弟子を奴隷のように働かせることです。
注24: ヴリンダーヴァンには、荘厳な寺を保有する宮殿がいくつもあります。

(つづく)

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